グリコとゲーム理論②
前回の記事はこちら
さて、ここからが本題になるわけですが…
では、チョキを出すのが最善手と言えるでしょうか。
確かに一見最善に思えるのですが、もしこの仕組みを全員が知っているとしたら。
みんなチョキを出す確率が高いと考えられます。
そうなると、先ほどまで最悪手だった「グー」が突如脚光を浴び始めます。
なぜならハイリスクローリターンではありますが、勝つ確率が高いからです。
極端に言えば、他が100%チョキを出すとわかっているのであれば、グーを出し続ければ必勝です。
3歩ずつでも進めることには間違いないし、そもそも負けなければ6歩進まれることもないので。
80%でもグーを出し続けるのが有利です。
相手がチョキを出す確率がパーを出す確率の倍以上であれば、グーの期待値はプラスになります。
こんな感じで、
チョキが一番有利であることを知る
→グーの勝率が上がってグーに流れる
→パーの勝率が上がってパーに流れる
→チョキの勝率が上がってチョキに流れる
→グーの勝率が上がってグーに流れる
…という流れが繰り返され、最終的には期待値が同じになるように収束していくのだと思います。
ちなみに期待値が同じになるのは「グー:チョキ:パー=2:2:1」のときです。漠然としたイメージだと、有利な順(チョキ>パー>グー)か不利な順(グー>パー>チョキ)のどちらかになりそうな気がするので、ちょっと不思議な感じがしますね。
大学時代、経済学部でゲーム理論というのを学んだのですが、これもゲーム理論の一種になるのでしょうか。経済学からはだいぶ離れてしまっているので自信はないですが、いずれにしてもこのように身近なゲームでも踏み込んでいくと、意外と深いものがあるかもしれません。
ちなみに私の周りでは、いつからかグーが「グリンピース」になりました。たぶん全部6文字にしてわかりやすくするために採用されたんだと思いますが、今にして思えば、戦略性を失うルール変更だったかもしれませんね。
“グリコとゲーム理論②” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。